人生シーケンスブレイク

シーケンスブレイクとは

斜視手術日記

人生2度目となる斜視手術を帝京大学医学部付属病院でしたのでその記錄。

スペック

  • 都内在住のアラフォー男性
  • 高校生の頃から斜視を発症
    • 間欠性内斜視
  • 視力は両眼とも0.1未満
  • ハードコンタクトレンズ

私と斜視の出会い

高校生の頃に黒板の文字や遠くのものがダブって視える(複視)症状が発生し、日常生活に支障をきたしていた。
当時はインターネットもそれ程普及しておらず、斜視に対する知識も殆どなかったので、地方の町の眼科で斜視と診断され、促されるがままに視界を屈折させるプリズム眼鏡を作ってその時は過ごしていた。

今ほど眼鏡の価格破壊も起きておらず、プリズム眼鏡が7万円もして親から相当怒られた。

斜視手術1回目に至るまで

もう10年ほど前。

当時の症状は、大体3m以上離れたものがダブって視えていて生活に支障がでていた。目が疲れていたり、アルコールを飲んだり、眠くなったりなど、眼筋が弱まった時に症状が顕著。何とか遠くのものを視ようとすると険しい目付きになったりするが、それも難しくて結局常に片目を瞑って過ごさざるを得なかった。

斜視について、知っている人も居るが知らない人も多く、自分の症状について一々説明するのが億劫だった。

対向車もダブって視え、自分に迫って来るように視えて仕方ないので自動車の運転は諦めた。

そんな中、テリー伊藤が斜視手術をしたドキュメンタリーをみて手術で直るということを知った。(それまで知らなかった。)

日帰りで手術できること。保険適用で3万円弱であること。上京しておりテリー伊藤が実際に掛かった高田馬場の丸尾眼科まで通院が可能であることなどが後押しとなり、自分も手術してもらうことにした。

日本視能矯正学会の招待講演の記錄として、テリー伊藤の対談内容が公開されている。 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jorthoptic/39/0/39_039I001/_pdf [PDF]

斜視手術1回目に臨む

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こういう器具(弱視鏡)で検査したりする通院を経て、日帰りの手術を行った。
手術といっても、それ程大きくない医院内で先生ともう1人の医療スタッフで行われ、あっという間に終わった。

自分は左眼が内側に寄りがちだったので、(たぶん)左内直筋後転術という手術だった*1

手術の最中のことは割愛。

取り敢えず、5年位は斜視のことを久し振りに忘れて生活できた。
苦労せず景色が視えることにとても感動した。

手術で一時的に治りはするが、再発する可能性があることは先生からも説明を受けていた。

斜視手術2回目に至るまで

なんやかんやあって、調子のいい時は遥か遠くまでダブって視えないけれど、普通の時や調子の悪い時、つまり日常生活の8割程は斜視が再発してしまっていたので9年振りに丸尾眼科に通院してみたところ、現在では斜視手術を執り行っていないとのことだった。

自覚症状としては、1度目の手術前と同じくらい複視でつらかったので、手術してもらいたい意向を伝えたところ、帝京大学医学部付属病院なら手術を行っているとのことで紹介状を書いてもらった。

大病院のためか検査から手術まで1年位待つ必要があったり、手術時には入院が必要とのことだったが、複視症状を何とかしたかったので2度目の手術に臨むことにした。

斜視手術2度目に臨む

3泊4日の入院で手術に臨んだ。今年の春頃のお話。

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入院セット

入院日程は概ねこんな感じだった。

1日目: 入院日。手術前の軽い検査(手術検査は入院前に済ませてある)。
2日目: 手術日。
3日目: 手術後の経過チェック。
4日目: 退院日。

入院1日目

暇。
KindleiPadを持ち込んで時間をひたすら潰す。
Vitaも持ってったけど個室にしなかったのでボタンをカチャカチャする音が迷惑になりそうでやれなかった。

ちょっと話は逸れるが入院時にAnkerのPowerPortを持ち込んだらベッド上でUSB充電できて非常に便利だった。 持っていかなかったら一々立ち上がってコンセントからLightningケーブルとUSB microケーブルを抜き差ししたことだろう。

入院2日目(手術日)

朝の回診。30人くらいの患者が一堂に会する。眼科では検査器具の都合か入院フロアの1室に患者が集まる形で回診するようだ。

手術は予定では15時ちょっと前とのことだったが、予定より1時間半ほど早く呼ばれて手術。

前回内直筋を手術したので、今回は左外直筋前転術になるとの話だった。
一度手術した部位は眼筋が癒着するので別の部位を手術するのがセオリーらしい。
眼筋を引っ張る必要があるので、1度目の手術と違って痛いとのこと。已む無し。

  • 1度目の手術内容を憶えていた
  • 手術室までの通路や手術台、手術台上の照明が1度目の手術より本格的だった
  • 予定より早く呼ばれた

すべてが恐怖を底上げするのに一役買っており、大変貴重な思い出となりました。

手術

手術前後の記憶をメモってたので、折角なのでここに書いてしまおうw

予定より早く呼ばれて手術室へ向かう。ドラマでしかみたことのないような手術室の前で待機となり、担架が運べるような広い通路に医療スタッフと私だけで待つ。機械音が凄く響く。非常に緊張する。

数分程度で前の人が手術室から車椅子で出てきて自分の番になる。1度目の手術とは異なり、ほかの外科手術でも使われそうな手術室、手術台、照明、多めのスタッフ。 手術台に乗ったところで、血圧も測り始める。手術用の布で手術部位である左眼以外を保護される。布で覆われたことで、自分のはぁー、はぁーという呼吸音とピッ。ピッ。ピッ。という電子音が響くようになる。

目薬の麻酔。染みなくなったらOKと言われるが、緊張してしまったせいか結構な量の目薬をさしてもらっても染みるような気がする。というか、染みるんだか染みないんだかよく分からなくなってる。目薬マシマシにしてもらって少し時間が経ったら流石に麻酔が効いたような気がしたので「もう大丈夫です。」と応えたけれど、全然麻酔効いてなくて手術中痛かったらどうしよう。手術台に縛り付けられる。マジか。1度目の時は縛られることはなかったけれども、恐怖で自分で手術台を握りっぱなしで、手術中に想定外に動いてしまいそうでそれはそれで怖かったので、それに比べたらマシか。

眼球をヘラで固定される。う、始まる。眼筋が切られていく、怖い。布で覆われているので今は左眼でしかものが視えないのに、この左眼が切られていく。鋏が入り、切られていく度に視界が揺らぐ。できる限り視覚を削ぎたいが、ヘラで固定されているので眼は閉じれない。手術中に眼球を動かそうとするのも躊躇われるので、聴覚が過敏になり、自分の呼吸音が強く響き渡る。 手術器具の剪刀やっぱり切れ味いいんだろうな。あっという間に眼筋が全部切られて、目の前が鼻になった*2。もし視界がこの状態のままだったらどうしようとの恐怖でいっぱいになる。

手術台の照明がめちゃくちゃ眩しい。気が付いたら縫い始めている。少し安心するも、眼球も縫われているのが分かる。針が通る度に眼球がぶるぶるする。

「引っ張りますねー。少し痛いですよー。」 うおーーー世界が回る!!痛みよりも引っ張られることで視界が回ることがホラー。 今度は鼻じゃない方向を向いた状態になり、また縫われる。少ししたら「じゃあ今度は左下に引っ張りますねー。」え、またかよ!うおおおおおおおおおお!!

あ、前が視えるようになった。 この後も縫われ続けるのだが、視界が真正面になったので少し安心。 冷や汗かきまくり。今度はちゃんと真正面になってるかな。ちょっとズレてたらどうしようとの不安が付き纏う(大丈夫でした)。

縫合がどの程度か分からないけれどもある程度進んだタイミングで視界について確認。手術の緊張でパニクってたが少し落ち着いて、裸眼でも複視が治っていることが確認できたので仕上げの縫合。眼球にめちゃくちゃ軟膏を塗られて手術終了。

怖かったけれど無事に終わってくれて良かった。終わった直後から手術を乗り越えた開放感に包まれる。

予定より早く終わったので、手術前に到着するはずだった妻が手術直後にやってきて、差し入れのケーキを食べてやっと落ち着きを取り戻す。

術後

手術後は眼帯をしているものの、飲食可能になるので遅めの昼ご飯を食べて、コーヒーを飲んでたら麻酔が切れてきたのか痛みが出てきたので痛み止めを飲んだ。

眼帯を外した後にちゃんと視えるようになっていることを期待して過ごす。

手術後の眼球の写真は撮ったが、ちょっとアレなので貼らないでおく。

入院3日目

回診前に眼帯を外す。眼帯を外して1時間も経たない内に普通にものが視れるようになった。

片目で視た際の眼の位置のズレは腫れていることもあり多少あるが、その内自然になっていくとのこと。そういえば1度目の手術後もそうだった気がする。 痛みも引いて何も問題はないのでiPadで漫画を読んで暇を持て余す。退院までそわそわ。

入院4日目

退院告知が来たので退院支度する。スムーズに退院手続き。3泊4日の片目の手術で53000円。 53000円で斜視が治るなら安いものだ。

手術後記

途中書き殴ってしまったが、斜視で悩んでいる人へ手術にあたって伝えておきたいことを残しておく。

斜視は治る

自分は2度目の手術となったが、知人は1度の手術以降再発してない。当然医師と相談する必要があるが、手術しないよりは手術する選択肢についてポジティブに捉えて欲しい。

手術自体は結構怖いが、怖いだけなので頑張ろうw

コンタクトレンズ, 眼鏡は手術前に新調しておく

術後は1ヶ月はコンタクトレンズが付けられず、眼鏡生活になるので、眼鏡の度が低いと生活に支障が出る。

私は眼鏡で左眼だけ視力が出ず、眼鏡を新調したいとの相談をしたが、術後数ヶ月は視力が不安定なことや、一時的に視力が落ちることもあるらしく手術直後に新調するのは奨められないと伝えられた。

自分は術後に眼鏡の矯正時の視力が左眼だけ低く感じられたが、ちゃんと確認してなかったのでそれが手術前からだったのか、手術後に発生したのか区別できなかった。

数日後突然視力が回復し、結果的に術後に一時的に下がっていたことに気付いたが、手術前に確認しておいた方がよい。

コンタクトレンズ, 眼鏡はケチらない

今の視力にあったコンタクトレンズと眼鏡両方が無いとダメだ。

昔は眼鏡が高価だったので、コンタクトレンズにしてからは親が眼鏡を新調してくれなかった。
しかし、度があってない弱い眼鏡だけだと、寝る直前までコンタクトレンズを外したがらなかったり、コンタクトレンズを付けたまま寝てしまったり、古い眼鏡を重ねて度を強くしようとしたりと、結果的に眼に良くない行動をとってしまう可能性が高い。

自分は眼鏡を2つ重ねると視界が屈折するものの良く視えることに子供の頃に気付いてしまい、少しだけ寄り目にしてゲームをすることを憶えてしまった。斜視とは因果関係ははっきりしないが、確実に良くない行動だったとは思っている。

コンタクトレンズと眼鏡の両方を適切に運用し、視力だけに限らず眼の健康を維持すべきだ。

斜視や手術の分からないことがあったら必ず訊く

眼科検査士, 視能訓練士, 主治医, 執刀医, 看護師, 医療事務と関係者が多く、誰に何を訊いたらいいのか分からなかったけれども分からないことをそのままに不安なまま手術に臨む位だったらやはり訊いておいた方がよい。

自分は左眼で右側(内側)を視るのはあまり苦ではない一方、左側(外側)を視ようとする時にバランス良く眼を動かせず苦労していたこと、右眼は今の所良好なので、できる限り手を入れたくないことを伝えておいた。

実際にどう施術するかは執刀医の判断だとは思うのだが、自分の意向を伝えることで不安が軽減されたので言ってよかったと思っている。

先生によって質問しづらい雰囲気の人もいるだろうし、誰に聞けばいいのか分からないことも多いが、質問しやすい人を見つけて聞くのがいいと思う。

手術後数ヶ月が経った。今では眼球の赤みはすっかり引き、視界は良好で2度目の手術となったがやはり受けて良かったと思っている。

生活習慣というか、眼筋のバランスが偏ってしまうとまた再発してしまいそうなので、できる限り両眼でバランスよく視るようにして再発しないようになればなと思っている。

*1:当時の手術のことをよく把握してなかった。斜視手術2度目にあたり、1度目のことを遡って調べただけなのでもしかしたら間違っているかもしれない

*2:片側の眼筋のみ切断されているので、視界の真正面が鼻を向いた状態