人生シーケンスブレイク

シーケンスブレイク(Sequence breaking、シークエンスブレイクとも)とは、テレビゲームにおいて開発が想定している攻略ルートを逸脱し、ショートカットする行為のことである。

親にはオレオレ詐欺だけじゃなく、悪質プロバイダ勧誘電話にも気をつけた方がいいという話。

シルバーウィークに実家でマリオメーカーでもやろうと帰省したらやたらネットが切れまくり、実は今月プロバイダ変更したとのことでてんやわんやした話。

【詐欺】NTTを騙ったソフトバンク光の入れ替え工事【証拠は残さない】 - Windows 2000 Blog とか、 NTTフレッツ光を騙る訪問販売員が、うちに訪問しにきたときのやりとり - mizchi's blog とか似たような被害が多いみたいだし、やっぱり書く。

まだプロバイダ移行完了してないし、ここに限った話じゃないのでプロバイダ名は伏せる。

経緯

今月たまたま電話で「NTTの関連会社です。月々の料金が安くなりますよ!月々たった650円です!」との言葉に釣られてその場で契約したらしい。

650円なわけあるか!と思いつつ書類やら契約書やらを確認していたら、続けて「今時は凄いんだなー。パッパッパッとパソコン勝手に動かして登録進めてくれるんだもんなぁー」って???な話をしだしたので詳しく聞いたところ、

  • 先方がWindowsを操作して契約申込画面から申し込み
  • 月々650円
  • 3年縛りで違約金35,000円
  • 当然書面にはNTTの文字は無いし、規約もない
  • ひかり電話がどうなったかさっぱり分からない

と怪しさ全開で、プロバイダ名でググったらすぐ「悪質, 詐欺, 遠隔操作」みたいな単語がズラズラ出てきて、このプロバイダが年末年始ずっと繋がらなかったというページも見て、「あーこれやられたな」って思った。

ググッたり契約書を確認したりしたところ、

  • 先方がWindowsを操作して契約申込画面から申し込み
    • 数字のメモから恐らくChromeリモートデスクトップ(確定ではない)で操作されたっぽい。しかも、通話中に口頭で規約の同意とったり、氏名入力や「同意した上で送信」ボタンは当人に操作させている
  • 月々650円
  • 3年縛りで違約金35,000円
    • 書類には違約金20,000円。Webサイトには違約金未記載。サポートに電話して確認したら9,500円...
  • 当然書面にはNTTの文字は無いし、規約もない
    • 公式サイト調べたら全くNTT関係ない。ただ実際には「消防署の方から来ました^^」的な言い回しで法的問題を回避している気がする
  • ひかり電話がどうなったかさっぱり分からない
    • 結局後ほどサポートに電話するまで分からなかった(後述)

と散々な状況だったので、親に↑を説明し、以前と料金ほぼ変わらず違約金が高い、やたらネットに繋がらなくなることからも、契約したばかりだったので可能であれば9月中に契約破棄できないかという方向で動き出した。

なお、実家ではApple TVで映画も見るし、iPadFacetimeもするし、親父がエロ動画も見るし、FPSイカもするので、不意のネット切断は死活問題であります。

対応

その1. NTT東日本へ契約内容の確認

まず無難な所からとNTT東日本へ電話した。

フレッツ光の契約状況を確認した所、「お客様は9月時点で解約済みです。」との回答が。フレッツ光接続コースなのに解約済みってどういうことなのと思いながら説明を受けたら、既に転用承諾番号を取得の上で光コラボレーション事業者(後述)へ転用しており、5,000円程度の回線込みのプロバイダ契約になっている。他社との契約の為、NTT東日本は何もできないとのことだった。

NTT東日本への電話は諸々の確認だけで終わる。

その2. 消費生活センターへ相談

NTTではどうにもならず、このプロバイダは2chプロバイダ板の専用スレでも契約/解約に伴うトラブルが報告されていたおり、

のようなページも公開されていたので先に消費生活センターに相談した。

最初は私から電話を掛けたが、契約者本人に代わってくださいとのことで親が相談員と会話。 回答は「当時契約者が納得して契約しているのであれば契約自体は成立しています。」だった。

その後あれこれ質問したが、

  • 恐らく業者は通話録音しながら各種対策済みのトークをしている
  • NTTの名を語ったことによる優良誤認、詐欺、錯誤無効などの主張は難しいだろう
  • プロバイダ契約ではクーリングオフはできない
  • 通信品質に問題があるなら接続できなかった日時のプロバイダ側のログを請求し、そのログから「全然接続できなかった。契約が履行されてない」旨を主張して先方から契約解除を提案させるようにするしかない

のような話だった。

といっても、ログ請求には時間も掛かるし改竄も可能だろうし、通信障害はどのプロバイダでもあるわけなのでたまたま障害でしたって主張を退けるだけの期間契約していないと使えず、そこまで労力を避けない。。。

ということで「今回は仕方ないねー」ってムードになって諦めることにした。

その3. プロバイダへ電話

その2で諦めてたが、別件で ひかり電話における第三者による不正な利用に関する今後の対策等について | お知らせ・報道発表 | 企業情報 | NTT東日本 の注意喚起と、国際電話が不要な場合には停止申し込みを促すハガキが来てたので手続きにNTT東日本に電話したら、「ひかり電話も光コラボ事業者へ移管されてるのでそちらへご連絡ください。」と言われ、結局プロバイダへ電話することになった。

休日のサポートセンターなんて業務委託の別企業が窓口になってるだけなので電話しても無駄でしょ。って諦めてたが、結局電話することになったので録音しながら色々問い合わせてみたところ、

  • 契約書にはフレッツ光と書いてるけど違いますよね?月々の金額も違います。違約金結局いくらですか?
    • お客様の方で途中でコースを変更された為にそうなりました(親曰く話に従っただけ)。違約金は9,500円です。
  • 金額もコースも記載と異なる契約書は困ります。再発行してくれませんか?
    • 出来兼ねます(ゴネたけど手配が間に合っておらず無理って言われた)。
  • 違約金どこに9,500円って書いてますか?
    • Webサイトに記載されております(ただし実際には記載されてなかった)。
  • ちなみに御社で光コラボはじめたのいつですか?
    • 8月からでございます。

結局違約金どこにも書いてなくて再度問い合わせたり、サイト丸ごとローカルにバックアップしたりしたけど、委託のねーちゃんに突っ込んでもしょうがないし、当初の違約金35,000円から9,500円に下がったこともあり、解約で揉めたら録音出せばいいやって感じになって終わった。

とりまく環境について

光コラボレーションモデルの開始

https://flets.com/tenyou/ が2015年2月から始まった。

NTT東日本より光アクセスサービス(フレッツ光)等の提供を受けた事業者様が、自社サービスと光アクセスサービス等を組み合わせて、お客様へサービスをご提供するモデルを、光コラボレーションモデルといいます。

◎ 本モデルによりサービスを提供する事業者様のことを「光コラボレーション事業者様」と呼びます。

※ 光コラボレーション事業者様がご提供するサービスについては、お客様と光コラボレーション事業者様とのご契約になります。

とのことで、最近始まったOCN光やドコモ光などの他、今まではあまり聞かなかったプロバイダもこの光コラボレーション事業者としてサービスを開始している。他の被害もこれ。

支払いが一本化し料金も安くなるケースもあるのでメリットも当然あるが、光コラボ事業者ごとにひかり電話等のサービスの提供有無や内容が異なり、場合によってはNTT東日本とも併行契約になるので煩雑になる。

ウチの場合はこうなった。

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ひかり電話が光コラボ事業者の場合、次回プロバイダ変更の際に解約すると市外局番の電話番号も使えなくなるし、再契約の際は別の電話番号になる
もし同じ市外局番の電話番号を維持したければ、専用の手続きが必要で、確実に移行したければ、旧来のプロバイダ + フレッツの契約形態にしてNTT東日本にやってもらう方がよいとのこと。

ただしその場合、一時的に電話が利用できない期間が生じる可能性がある。

結論としては、契約が一本化できるならいいけど複数契約になるなら辞めた方がよさ気。

電気通信事業法等の一部改正

今年の5月22日に電気通信事業法等の一部を改正する法律が公布され、プロバイダにも8日間のクーリングオフ期間が設けられることになった。 総務省|新規制定・改正法令・告示 法律

第二十六条の三 電気通信事業者と第二十六条第一項第一号又は第二号に掲げる電気通信役務の提供に関する契約を締結した利用者は、総務省令で定める場合を除き、前条第一項の書面を受領した日(当該電気通信役務(第二十六条第一項第一号に掲げる電気通信役務に限る。)の提供が開始された日が当該受領した日より遅いときは、当該開始された日)から起算して八日を経過するまでの間(利用者が、電気通信事業者又は媒介等業務受託者が第二十七条の二第一号の規定に違反してこの項の規定による当該契約の解除に関する事項につき不実のことを告げる行為をしたことにより当該告げられた内容が事実であるとの誤認をし、これによつて当該期間を経過するまでの間にこの項の規定による当該契約の解除を行わなかつた場合には、当該利用者が、当該 電気通信事業者が総務省令で定めるところによりこの項の規定による 当該契約の解除を行うことができる旨を記載して交付した書面を受領した日から起算して八日を経過するまでの間)、書面により当該契約の解除を行うことができる

全体の差分は新旧対照条文を参照: http://www.soumu.go.jp/main_content/000362333.pdf

こちらの行政書士のブログが掻い摘んだ内容になっていて分かりやすい。 電気通信事業法の改正(平成28年5月21日施行)とクーリングオフ制度導入 : ネット行政書士・遠山桂ブログ

ただし注意していただきたい。施行は 公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日 とあって、まだ施行されていない。

8日間の期限付きとはいえ、クーリングオフが適用になる前に駆け込みで営業を掛けているんだろう。

おわりに

こういった行為がクレームなのか、クレーマーと思われるのか分からないが、半日でだいぶ疲弊した。 電話で誘導されて契約してしまったという話にはオレオレ詐欺と同じものを感じた。オレオレ詐欺に引っ掛かる前の授業料としては確かに安いのだけれども、当然全くいい気はしない。 当然こういった勧誘には一切のらないのが正解だと思うが、これからさらに年老いていく親のことを考えると難しそうではある。

さっさと固定電話解約したいが、諸事情あって今は解約できず

  • 電話, 訪問による契約には絶対のるな
  • PC, ケータイ周りの契約は必ず相談するように
  • 次なんかあったら固定電話は解約

とかフールプルーフじゃない再発防止策だけ残して帰ってきてしまった。他に何かいい方法があったら教えてほしい。

当面は似たような勧誘が多いと思われるので、実家から離れて暮らしている方々はぜひ一言親に注意喚起を。